アップコンバート(アップスケール)とは
テレビのスペックや特徴などを眺めていると、頻繁に見かける「アップコンバート」の文字。
映像業界では非常にポピュラーな言葉でもあり、画質に影響を与えるとても重要な機能ですが、以外にどういったことを行っているか知らない方が多いです。
今回はこの「アップコンバート」が何をして、映像にどう影響を与えているかを紹介したいと思います。
放送には様々な解像度がある
現在日本で放送されている地上デジタル放送の解像度は【1440×1080】、BS/CSデジタルでは【1920×1080(フルHD)】で放送されています。
しかし今話題の4Kテレビが表示することのできる解像度は【3840×2160(4K)】です。
解像度について詳しくは下記で説明しています↓↓
4Kテレビの「4K」って何のこと?
解像度通りに表示しようとすると、4Kテレビでは地上デジタル放送が画面の端っこに寄った映像になります。
ですが家電量販店で4Kテレビを見回ってみても、すべてのテレビが全画面で表示されています。
端っこに寄って表示されているテレビは一台もありません。
4K未満の解像度は引き伸ばされている
これはなぜかと言うと、テレビが地上デジタル放送を引き延ばして、4K解像度でも全画面になるように処理をしているからです。
しかし地上デジタル放送を4Kサイズにただ引き伸ばしただけでは、映像がぼやけてしまい粗い映像になります。
イメージ的にはスマホで撮った写真を限界までアップにすると画像の粗さが目立ちますよね?
テレビでも同じことが起こります。
しかしテレビでは粗さは目立ちにくくなっています。ここでアップコンバート処理が仕事をするのです。
アップコンバートの仕事とは?
現在発売されているテレビの中で、「明らかに映像が粗すぎて見るに堪えない」モデルは存在しません。
なぜなら先ほども説明したように、アップコンバート処理されているからです。
アップコンバート処理とは、テレビ側で地上デジタル放送を4Kに引き伸ばす際に、顕著になる画像の粗さをデジタル処理によって目立ちにくくさせる処理です。
現在販売されている4Kテレビには、レベルの違いはあれどもアップコンバート処理機能が搭載されています。
各社によってアップコンバートの味付けは異なります。
画質の良し悪しはアップコンバート処理の完成度も大きく影響しているのです。
画像を予想して補完する
アップコンバート処理の機能はわかったかと思います。
ではどうやって4Kに引き伸ばす際に、粗さを目立たなくしているのでしょうか。
各メーカーのテレビには必ず「画像処理エンジン」と呼ばれる描画を司る司令塔が搭載されています。
この「画像処理エンジン」が、4Kよりも低い解像度の映像を受信した際に、引き伸ばした時に生じる本来はない部分を補完もしくはデジタル処理を施して実際の画面に表示しています。
一般的には「バイリニア処理」「バイキュービック処理」などありますが、仕組みについては難しい為、興味があれば調べてみてください。
とりあえずアップコンバート処理は、解像度を引き延ばす機能であると共に、デジタル処理などを加えて引き伸ばしても画質が粗くならないように処理する機能ということを覚えておいてください。
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